涼を楽しむ「江戸切子」の魅力

毎日のようにある「〇〇の日」。調べてみると、面白いものがたくさんありますよね。今回ご紹介したい、ある日本文化にまつわる日も、ついこの間の7月5日だったといいます。この日は「江戸切子(きりこ)」の日。きらきらと繊細でなんとも涼しげ、夏の暑さを和らげてくれそう。今回はそんな江戸切子の魅力をご紹介していきます。

7月5日は「江戸切子」の日

江戸切子、それは東京都指定の由緒正しい伝統工芸のひとつです。「切子」というのは大きく「立方体の角を落としたもの」を指しますが、この場合は特にガラス加工の工法をそう呼びます。わかりやすく言うと、切子は「カットグラス」の日本語版。そして江戸切子の代表的な模様である「魚子」は「ななこ」と読むそうです。なるほどつまり、7月5日はこの「七(なな)五(こ)」にちなんで江戸切子の日になったのですね。

日本版カットグラスの歴史

江戸時代

「切子」よりも「カットグラス」と言った方がイメージしやすいという方も多いですよね。それもそのはず、実は日本のカットグラス、つまり切子は、世界に比べてまだまだ歴史が浅いのです。江戸時代後期、鎖国中の日本における数少ない外交窓口・長崎に、西洋文化としてのカットグラスが伝わりました。

18世紀末頃から「切子」と呼ばれ始め各地に広まり、その繊細な技術に多くの日本人が魅了されたのです。江戸時代の職人・加賀屋久兵衛も例外ではありませんでした。彼は1834年、江戸大伝馬町で「金剛砂(こんごうしゃ)」という砂質の鉱物を使い、ガラスの彫刻に初挑戦。これが、江戸切子の始まりだと言われています。

また、江戸切子の影響を受けながらも独自の発展を遂げたのが「薩摩(さつま)切子」。こちらは当時の海外交易品として藩をあげて産業化されました。日本の切子を代表する江戸切子と薩摩切子は、互いに影響しあいながらそれぞれ魅力を増し、伝統工芸としての地位を確立するに至ったのです。

江戸と薩摩、それぞれの魅力

続いて、こうして出来上がった切子の特徴をご紹介していきます。まず双方のルーツとなった海外の手法は、透明なガラスに厚い色ガラスをかぶせて削るというもの。

これに近いのは、薩摩切子です。同じように厚い色ガラスをかぶせるのですが、ポイントはここから。薩摩切子は、その分厚い色ガラスに深さの異なる切子を施すことでグラデーションを出すのだそうです。

一方、江戸切子は後からかぶせる色ガラスが薄いのが特徴。無色透明なガラスに藍色や紅色といった薄いガラスをかぶせ、できた器に切子を施します。また双方の違いはデザインにもみられます。江戸切子は柔らかな曲線を描くのに対し、薩摩切子は直線的な模様が多いそうですよ。

きらめく江戸切子の模様たち

江戸切子の柄

出典:edokirikostore.com

さて、江戸切子にはどんな模様があるのでしょうか?
先ほどご紹介した代表的な模様の「魚子」は文字どおり、魚の卵をイメージしたデザインです。シンプルなだけに、ガラスを削るひと手間ひと手間に職人の腕が光ります。もともとはイギリスやアイルランドで18〜19世紀頃人気を集めた模様だそうで、「魚子」のルーツははるか遠い異国の地にあると言えるのです。

他にも竹かごの編目に似た「六角籠目(ろっかくかごめ)」や「八角籠目」、江戸小紋などにも用いられる伝統文様の「麻の葉」、細やかな交差の連続が美しい「菊つなぎ」などがあります。どれも繊細ながらシンプルで、あなたも魅了されること、間違いなしです。

江戸切子に涼を感じて

7月5日が江戸切子の日になったのは、代表的な「魚子(ななこ)」模様の語呂合わせでしたね。ですがこの言葉の響きに加えて、この日に込められた思いがあるようです。7月5日といえば本格的な夏の到来の時期。

日本の暑い夏を乗り切れるよう、切子で少しでも「涼」を届けたい…そんな思いで、江戸切子協同組合の皆さんが制定した日なのです。職人さんの技術が光る江戸切子。繊細な輝きから、涼を分けてもらいたくなりますね。

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